昨年六月の悲しいニュース。
「SOFT BALLET」という文字列を本屋の立ち読みでしらみつぶしに探して情報を得ていた中高生時代、その文字が様々なメディアに掲載された2016年6月。複雑で何とも言えない気持ちを今でも思い出せます。
やはり一般的には「元SOFT BALLET」の印象が強いでしょうし、曲でいえば「BODY TO BODY」、アルバムで言えば「愛と平和」でしょうか。ボンテージな衣装に身を包み(時には美尻を露わにし)、クネクネダンス、体から体へ~。そんな姿を久しぶりに思い出した方も多いかと思います。
それ以外、特に晩年の森岡さんの作品、も輝いていました。是非聴いていただきたいです。
O / minus(-) (森岡賢 x 藤井麻輝)
遺作であるこのアルバムには森岡さんの良い所が全て詰まっていると思います。This is モリケンな曲でも背後にそびえる盟友藤井麻輝の影…。パートナーが磨きに磨き上げた森岡サウンドなのです。SOFT BALLET時代でも共にサウンドを作ることはなかった?二人の音が手を取り合っています。ファーストミニアルバム「D」はダウンテンポで藤井色が強かったですが、その後のライブや作品で徐々に森岡さんの音とキャラクターが前面に押し出されていく進化の過程も不思議で楽しいものでした。このアルバムで追加されたBEAUTYが僕は特に好きです。ソフトバレエのENGAGING UNIVERSEやPHASEを髣髴とさせる、陽だまりの様なモリケンサウンドの極みです。そしてminus(-)は今後も続きます。楽しみです。
Orfeu / Gentleman Take Polaroid(森岡賢 x 出口雅之)
SOFT BALLET然り、minus(-)然り、森岡さんの個性は別の個性と合わさり、ぶつかり合うことでこそ発揮できるのでは?と思っています。こちらはSOFT BALLETと同時期に活動していたGRASS VALLEYの元ボーカル出口雅之氏とのユニットの2009年作品。森岡さんの陽だまりの様なポップセンスが出口さんのボーカルを得て増幅され、優しく心地良く時に踊れるアルバムです。
SOFT BALLET然り、minus(-)然り、森岡さんの個性は別の個性と合わさり、ぶつかり合うことでこそ発揮できるのでは?と思っています。こちらはSOFT BALLETと同時期に活動していたGRASS VALLEYの元ボーカル出口雅之氏とのユニットの2009年作品。森岡さんの陽だまりの様なポップセンスが出口さんのボーカルを得て増幅され、優しく心地良く時に踊れるアルバムです。
Salon du Détester / ZIZ x KEN.MORIOKA
こちらも強烈な個性とのコラボ作。元MALICE MIZERのKözi率いるZIZとの共演。KöziとドラムのCHARGEEEEEEは森岡さんソロのサポートも務めていて、ライブを観ましたがもう見た目の時点で個性がバチバチいってました。その時客席でKöziファンの女性グループに話しかけられて「森岡さんもカッコいいですよね!ウチのKöziもよろしくお願いします!」「いえいえウチの森岡のこともよろしくお願いします!!」と声を掛け合った思い出。
世界は闇で満ちている / BUCK-TICK(ピアノで参加)
minus(-)の音作りを開始する時藤井さんは森岡さんに「ピアノはマストで入れて」と依頼したそうです。
「森岡がピアノの前に座って無意識に弾くフレーズに期待した部分があった。それが一番素直であろうし、しかもタッチで音色が変わる。そこに一番彼のパワーがあるはずだろうと。」
(Sound & Recording Magazine 2014年12月号 インタビューより)
そんな森岡さんのピアノがフィーチャーされたBUCK-TICKの「世界は闇で満ちている、君が輝くために」と歌われる楽曲。2016年9月11日に横浜アリーナで行われたライブでは今井さんが間奏でソフトバレエの「Passing Mountain」のフレーズを奏でた「Memento mori」に続いて、演奏されました。
The Victim / BELLRING少女ハート
地下アイドルと呼ぶには余りにとんでもない存在になり、そして昨年末一旦終幕したベルハー。二度の対バンをきっかけにminus(-)が作ったのがこのThe Victim。minus(-)でもセルフカバーしていて(「O」と「G」に収録)昨年末のライブでは藤井さんがセンターに立ちボーカルを披露していましたが、ベルハー版の魅力は何よりその日本語詞と歌…。ソフトバレエやminus(-)のボーカルレコーディングには立ち会わなかった発言をしている藤井さんがベルハーにはとても優しく直接ディレクションしたというのも深いい話。(ベルハーのライブで終演後、元メンバーの宇佐美萌さんとチェキを撮る時にレコーディング当時の話を色々聴きました。笑顔の記念写真もあるそうです←アップされた形跡は無いですが…)。そしてあの黒い羽と衣装を十二分に生かした息を飲むようなダンス。新体制ベルハーでも歌い続けてほしいな。と願っています。
森岡さんが曲を書き、藤井さんが仕上げる。だからこそアイドルへの楽曲提供が出来たのかな。と個人的に思います。そしてそれがベルハーだというのも何だか「らしい」なあと何となく…。
minus productions として色々な人に楽曲を提供していく未来を妄想していました。ファンとして唯一の心残りかもしれません。
番外編:JIM DOG / SOFT BALLET
「ぶっとばしてェ!!!!!!」なENDS遠藤さんの魅力がこれでもかと堪能できるSOFT BALLET再結成時のアンセム。ライブではこの曲になるとダイバーが現れていた思い出。実はminus(-)結成当初のアンコールでも演奏されていて、WWWでのライブでドラムの平井直樹さん(再結成ソフトバレエもサポート)がとても楽しそうに叩いていたのをよく覚えています。
晩年…という言葉を使うのはまだ少し抵抗があるのですが…森岡さんは盟友とのユニットで活発に活動し、様々なアーティストとコラボレーション、対バンし(時にはアイドルに美尻を褒められ&触られ)ていました。
結果的に僕が最後に観たライブは、平沢進先生のギターが入った圧倒的なminus(-)サウンドで歌い踊る姿、その一つ前は10代の時にサポートをしていたURBAN DANCEの再結成ライブにて穏やかにキーボードを奏でる姿でした。亡くなる直前に観た、輝きを放つ音と姿がやはり自分にとって一番の想い出ですし、幾度となくこれからも思い出すことでしょう。
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