2017年1月18日水曜日

昨年の訃報で森岡賢さんの事を思い出した人に聴いて欲しい森岡さんの作品(SOFT BALLET以外で)


昨年六月の悲しいニュース。

「SOFT BALLET」という文字列を本屋の立ち読みでしらみつぶしに探して情報を得ていた中高生時代、その文字が様々なメディアに掲載された2016年6月。複雑で何とも言えない気持ちを今でも思い出せます。

やはり一般的には「元SOFT BALLET」の印象が強いでしょうし、曲でいえば「BODY TO BODY」、アルバムで言えば「愛と平和」でしょうか。ボンテージな衣装に身を包み(時には美尻を露わにし)、クネクネダンス、体から体へ~。そんな姿を久しぶりに思い出した方も多いかと思います。



それ以外、特に晩年の森岡さんの作品、も輝いていました。是非聴いていただきたいです。


O / minus(-)  (森岡賢 x 藤井麻輝)



遺作であるこのアルバムには森岡さんの良い所が全て詰まっていると思います。This is モリケンな曲でも背後にそびえる盟友藤井麻輝の影…。パートナーが磨きに磨き上げた森岡サウンドなのです。SOFT BALLET時代でも共にサウンドを作ることはなかった?二人の音が手を取り合っています。ファーストミニアルバム「D」はダウンテンポで藤井色が強かったですが、その後のライブや作品で徐々に森岡さんの音とキャラクターが前面に押し出されていく進化の過程も不思議で楽しいものでした。このアルバムで追加されたBEAUTYが僕は特に好きです。ソフトバレエのENGAGING UNIVERSEやPHASEを髣髴とさせる、陽だまりの様なモリケンサウンドの極みです。そしてminus(-)は今後も続きます。楽しみです。






Orfeu / Gentleman Take Polaroid(森岡賢 x 出口雅之)




SOFT BALLET然り、minus(-)然り、森岡さんの個性は別の個性と合わさり、ぶつかり合うことでこそ発揮できるのでは?と思っています。こちらはSOFT BALLETと同時期に活動していたGRASS VALLEYの元ボーカル出口雅之氏とのユニットの2009年作品。森岡さんの陽だまりの様なポップセンスが出口さんのボーカルを得て増幅され、優しく心地良く時に踊れるアルバムです。





Salon du Détester  / ZIZ x KEN.MORIOKA





こちらも強烈な個性とのコラボ作。元MALICE MIZERのKözi率いるZIZとの共演。KöziとドラムのCHARGEEEEEEは森岡さんソロのサポートも務めていて、ライブを観ましたがもう見た目の時点で個性がバチバチいってました。その時客席でKöziファンの女性グループに話しかけられて「森岡さんもカッコいいですよね!ウチのKöziもよろしくお願いします!」「いえいえウチの森岡のこともよろしくお願いします!!」と声を掛け合った思い出。





世界は闇で満ちている / BUCK-TICK(ピアノで参加)

minus(-)の音作りを開始する時藤井さんは森岡さんに「ピアノはマストで入れて」と依頼したそうです。

「森岡がピアノの前に座って無意識に弾くフレーズに期待した部分があった。それが一番素直であろうし、しかもタッチで音色が変わる。そこに一番彼のパワーがあるはずだろうと。」
(Sound & Recording Magazine 2014年12月号 インタビューより)

そんな森岡さんのピアノがフィーチャーされたBUCK-TICKの「世界は闇で満ちている、君が輝くために」と歌われる楽曲。2016年9月11日に横浜アリーナで行われたライブでは今井さんが間奏でソフトバレエの「Passing Mountain」のフレーズを奏でた「Memento mori」に続いて、演奏されました。





The Victim / BELLRING少女ハート




 地下アイドルと呼ぶには余りにとんでもない存在になり、そして昨年末一旦終幕したベルハー。二度の対バンをきっかけにminus(-)が作ったのがこのThe Victim。minus(-)でもセルフカバーしていて(「O」と「G」に収録)昨年末のライブでは藤井さんがセンターに立ちボーカルを披露していましたが、ベルハー版の魅力は何よりその日本語詞と歌…。ソフトバレエやminus(-)のボーカルレコーディングには立ち会わなかった発言をしている藤井さんがベルハーにはとても優しく直接ディレクションしたというのも深いい話。(ベルハーのライブで終演後、元メンバーの宇佐美萌さんとチェキを撮る時にレコーディング当時の話を色々聴きました。笑顔の記念写真もあるそうです←アップされた形跡は無いですが…)。そしてあの黒い羽と衣装を十二分に生かした息を飲むようなダンス。新体制ベルハーでも歌い続けてほしいな。と願っています。

森岡さんが曲を書き、藤井さんが仕上げる。だからこそアイドルへの楽曲提供が出来たのかな。と個人的に思います。そしてそれがベルハーだというのも何だか「らしい」なあと何となく…。

minus productions として色々な人に楽曲を提供していく未来を妄想していました。ファンとして唯一の心残りかもしれません。






番外編:JIM DOG / SOFT BALLET




「ぶっとばしてェ!!!!!!」なENDS遠藤さんの魅力がこれでもかと堪能できるSOFT BALLET再結成時のアンセム。ライブではこの曲になるとダイバーが現れていた思い出。実はminus(-)結成当初のアンコールでも演奏されていて、WWWでのライブでドラムの平井直樹さん(再結成ソフトバレエもサポート)がとても楽しそうに叩いていたのをよく覚えています。




晩年…という言葉を使うのはまだ少し抵抗があるのですが…森岡さんは盟友とのユニットで活発に活動し、様々なアーティストとコラボレーション、対バンし(時にはアイドルに美尻を褒められ&触られ)ていました。

結果的に僕が最後に観たライブは、平沢進先生のギターが入った圧倒的なminus(-)サウンドで歌い踊る姿、その一つ前は10代の時にサポートをしていたURBAN DANCEの再結成ライブにて穏やかにキーボードを奏でる姿でした。亡くなる直前に観た、輝きを放つ音と姿がやはり自分にとって一番の想い出ですし、幾度となくこれからも思い出すことでしょう。


2017年1月16日月曜日

BUCK-TICK TOUR アトム未来派 No. 9


BUCK-TICKのニューアルバムツアー、今回は神奈川県民ホールと武道館を観に行ってきました。

共に印象的だったのは「アトム 未来派 No.9」の新曲が昔からずっと聴いている曲の様に楽しめたという事。でも新鮮な印象もある、とても不思議な感覚。

「美 NEO UNIVERSE」とシームレスに繋がった「Baby, I want you」やその後の「MY FUCKIN' VALENTINE」と並んでも全く各時代を感じさせず、ただ新鮮なサウンドとして響くBUCK-TICKの楽曲たち。武道館の終演後に30th Anniversary Yearの計画が発表され楽しみに思いましたが、「30年間変わらぬメンバーで活動を続ける」という説明をしなくても、BUCK-TICKは現在進行形のカッコいい!バンド。そんな事を感じていました。

「FUTURE SONG -未来が通る-」のゆがんだポジティブさ、「THE SEASIDE STORY」の飛び出せサマータイム感。「BOY septem peccata mortalia」 の壊れっぷりや「PIONA ICCHIO-躍るアトム」のバキバキ感はTHE MORTALやSCHAFTを経たからこそだなあと思ったり。。。「メランコリア-ELECTIRA-」からの「DEVIL'S WINGS」のYOW-ROW参加曲2連発も良かったです。type2もライブで聴いてみたい。

そしてラストの曼珠沙華~愛の葬列。ただ立ちすくして聴いておりました。

アンコールも聴きたいけど、愛の葬列をずっと聴いていたい…そんな風に思っていたら流れてきたのは白鳥の湖のフレーズ、キラメキ~見えないものを…~形而上 流星or無題という選曲は本篇の余韻を生かした素晴らしい流れだったなと。リズム隊のノリが過去に聴いた時より抜群に良くて染み入りました。

神奈川の2回目のアンコールで聴けたのがMISTY ZONE。この曲、リアレンジ版がデイインで披露されて以来、過去何度かライブで聴いているのにも関わらずあのイントロが聞こえると「うおおおおおお!レア曲!うおおおおおおお!」となってしまうのは何故だろう。


2017年1月15日日曜日

12/30 川崎Club Citta: Team Black Starz VS callme


チームcallme総力戦。という感じの盛りだくさんかつ一貫した楽しさに包まれた3時間弱のステージでした。

オープニングからブラスタさんとcallmeのコラボ曲。お互いの良さが刺激し合っているかのような独自のカッコ良さに早くも昇天。

最初のブラスタさんパートはエンタメ的側面強め。「あれ?人の曲で踊るんだ?」と思ったのも事実だけど、ただただ楽しくて引き込まれてしまう。軟体人間もキワモノに終わることなく楽しく見せてくれる。

続いてcallme登場、いきなりStep By Step、Oh Yeah等のアゲ曲3曲でこちらも体力使い果たす。。(笑)
そしてこの後謎の寸劇コルミ女学園?

コラボ。とか対バン。とかそれぞれが演奏して最後に一曲、みたいなパターンが多いけど、今回のはそんなレベルじゃなくて二組とそのスタッフが力を尽くして一つのステージを作り上げようとしているのがこの時点で伝わってくる。だから寸劇なんかをやってもステージにブレがないし楽しめる。
そんな事を感じていました。

Rumbさんのトラックに合わせてのブラスタさんパフォーマンスからシームレスにcallmeとのコラボステージへ、、これはとにかく圧巻。特にCosmic Walkのダンスはあまりに宇宙的で昇天。11月に観たUltra Callmeの進化形のようにも感じました。

ラストはニューアルバム曲をメインにしたcallmeステージ。この時点で2時間位経過してたのかな?盛り上がりすぎて体力消耗してたけど、メンバーのテンションもいつも以上に刺激を受けて高まっていたので素晴らしい歌とダンスを堪能することが出来ました。


素晴らしいチームに囲まれて進化し続けるcallmeの現在の最高形を観たように思えるライブでした。